ひょんなことというのは、猫である。知人から仔猫をいただいて飼いはじめたのだが、何はともあれ獣医に連れていって健康診断を受けた。幸にして完璧な健康状態で一安心だったが、待合室で保険のパンフレットがあるのを見つけて持って帰った。猫が病気をしてしまったときに色々な保証を受けられるらしい。入っておこうかと思ったときに、目に入った文字列が「インプラント・チップ」。なんでも、識別番号みたいなものが入ったインプラント・チップなるものを猫の体に埋め込むことによって、その猫が本当に保険の対象の猫かどうかわかるようにするらしく、それが保険加入の条件になっているのだ。
「どこかで聞いた響きだな」とは思ったものの、その場では気付かず、とにかくそのインプラント・チップなるものが猫の体によろしくない影響を与えたりしないかを調べようと考えて、インターネットで「インプラント」を検索をしてみて気がついた。
そう、例の美しい歯と若々しさを取り戻した彼が言っていた言葉がそれだった。なんだか急に気になって脇道にそれ、そっちのインプラント、つまり【デンタルインプラント】について調べだしたのだ。
そこで気がついた。あれは美容整形の類ではなかった。単に「格好よさ」だけを追求して、機能を犠牲にするものではなかった。驚いたことに、むしろ最も完全に歯の機能を取り戻すための手法だったのだ。しかも確かに美しい。